研究課題/領域番号 |
22792283
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
安永 薫梨 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (80382430)
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キーワード | 暴力防止 / 精神科病棟 / 患者教育プログラム / 看護師 |
研究概要 |
今年度は、精神疾患をもつ患者が看護師への暴力を防ぐために必要な学習内容について明らかにすることを目的として、地域で生活している精神疾患をもつ患者5名(前年度に3名、合計8名)を対象に面接調査を行った。対象者の背景は、性別では男性が6名、女性が2名、年齢のSDは46.5±7.78歳、疾患名では、統合失調症が5名、うつ病が2名、その他が1名であった。分析方法は、録音したICレコーダーを逐語録におこし、何度も熟読した。1事例ずつ、データを患者が看護師への暴力を防ぐために必要な学習内容、その他重要と思われる個所に着目しながら、1文脈単位もしくは1文章ごとに切片化し、番号をつけた。そして、各データで語られている意味に基づいて、サブカテゴリ名をつけた。また、分析途中で気付いたことはメモを取った。サブカテゴリの類似点、共通点を比較しながら抽象度を上げ、カテゴリに分類し名前をつけた。まだ、すべて分析できていないが、患者から看護師への暴力を防ぐために必要な学習内容については、<暴力では何も解決できないという常識の継続維持>、<孤立防止>、<暴力を受けた経験>、<患者同士の関係性の重要性>が抽出された。プログラムの方法については、<患者、多職種の医療従事者が一緒に話し合う>が抽出された。その他、看護師に希望する関わりでは、<コミュニケーションを粘り強く続けること>、<たわいもない話をする時間を作る>、<単調にならない生活の援助>、<納得がいくまで話を聞く>、<待たせない>が抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
看護師への暴力防止を目的とした患者教育プログラムを作成するための予備調査を計画通りに進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、看護師から患者への一方的な患者教育プログラムではなく、患者と看護師が協働して患者から看護師への暴力防止につながる患者教育プログラムを作成することに注意しながら、今回得た結果をもとに研究を進めていきたい。
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