本研究の目的は、行動療法を導入した睡眠保健指導プログラムを開発し、睡眠保健指導を実施し効果的な睡眠保健指導プログラムの内容を検討することである。 研究対象は、睡眠障害を自覚している労働者を対象とし、研究に同意が見られた者とした。作成された睡眠教育プログラムは、4回のシリーズ化した睡眠保健指導の実施、睡眠保健指導終了の約1年後に、フォローアップ調査で構成した。データ収集方法は、4回のシリーズ化した睡眠保健指導時では、睡眠日誌、質問紙調査、睡眠センサーの測定、保健師面談時のインタビューから総合的に評価した。約1年後のフォローアップ調査では、睡眠日誌、質問紙調査、睡眠センサーの測定を行った。睡眠データの測定は、入眠してから覚醒するまでの夜間帯のみの測定とした。 1企業での介入であり、介入群は10名であり、男性5名、女性5名であった。実施した睡眠保健指導プログラムの介入により、睡眠に対する知識や具体的な行動療法の手法が身につけられるようになっていた。そのため、夜間の中途覚醒時等に、リラックス法や呼吸法やアロマテラピー法などの具体的な対処行動が自分自身でとれるようになっていた。 睡眠に対する支援は、主に薬物療法による対応が中心となっているが、睡眠保健指導の介入は行動的アプローチやセルフモニタリングが行えるため効果的であり、予防的視点で早期段階から介入する必要性が高いと考えられた。また、睡眠に対する評価は、質問紙や睡眠データなどに加え、睡眠に関する主観的な満足感なども正確に評価していく必要があることが示唆された。
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