最終年度にあたる本年度は、昨年度に引き続きデータ収集と処理作業に取り組んだ。また、介護者の状況の変化にともなう経時的変化も確認するための6か月後と1年後の追跡調査も同時並行的に実施した。調査データの処理作業は現在も進行中であるが、平成23 年6 月から開始した初回調査は、平成24 年8 月に終了し、収集したデータについては一部、分析を進めているところである。 先行研究に基づいて、介護者の腰痛を含む健康要因と社会的背景や属性を踏まえて基本分析を行ない、男女別に健康課題の傾向が異なること、また年齢別の差異もあることから、男女別また年齢によるデータマッチングを行い、分析をさらに進めているところである。いくつかの点において、介護者がコントロール群に比べて健康に関して状況の悪い傾向があり、関連する社会的要因を含めて介護の健康リスクへのインパクトの有無について明らかにして行く予定である。 また、経時的データ収集も進めていることから、今後、横断調査分析の結果を踏まえて、縦断調査データの整理を行い、介護者の健康の経時的変化についても分析を進めていく予定にしている。介護者へ支援活動は、健康課題も含めて、十分とは言えない状況が現在も続いていることから、介護を健康リスクとして捉えた健康支援対策を検討する上で、本調査結果は有用な資料にできるものと考える。
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