初年度にあたる平成22年度は交付申請書に記載している研究計画に基づき、本研究に関する文献の検討、インタビューガイドの作成、対象となる保健師に対しインタビュー調査を行った。詳細については次の通りである。 1)文献検討 国内外における通報等による精神障害者への看護援助に関連する文献検討を行った。しかし保健所における精神障害者の通報に関する現状や課題等の実態調査を検証したものが中心であり、通報等により保健師が精神障害者宅等へ初回訪問し、実際に行った具体的な看護援助について焦点をあてた研究は見当たらなかった。 2)インタビューガイドの作成 文献検討後、インタビューガイドを作成した。インタビューガイドは、通報等を受けてから初回訪問時に行っている看護援助の内容や、通報等を受けた時点から開始される必要な支援(他職種との連携等、間接的な支援)等とした。それを用いて通報等があった精神障害者に対し看護援助を行った経験のある保健師にプレテストを実施した。プロテスト実施後、インタビューガイドを見直し、修正を行った。 3)インタビュー調査 通報等により精神障害者宅等へ初回訪問を行った経験があり、5年以上の勤務経験および本研究の趣旨を理解し、研究協力の同意を得られた近畿圏内の保健師を対象にインタビューを行った。インタビューはプライバシーが守られる保健所内の個室にて行い、平成22年度は保健師10人に対し、各々2回ずつ実施した。1回目は、インタビューガイドの内容について自由に語ってもらい、2回目は、1回目のインタビューで語っていただいた話をさらに詳しく語っていただきたい内容や、研究者がどのように理解してよいか分らないと感じた内容を中心にインタビューを行った。また対象者の了承を得てインタビューをICレコーダに録音した。
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