本研究の目的は、統合失調症の母親をもつ子どもの体験を明らかにし、統合失調症の母親をもつ子どもへの看護支援として、心理教育プログラムの開発を試みることである。 平成23年度は、平成22年度行った先行研究の調査、文献検討を踏まえ、作成したインタビューガイドを基に実際にインタビュー調査を実施していく計画であった。本研究は、非常に個人的で難しい問題に踏み込む内容のインタビューになり、対象者は語る内容について自己の判断を必要とすることが予測できるため、今回の研究対象については、その判断が可能と考える20歳以上で健康に生活していることを用件としたが、実際に研究協力者を探していく段階において、当初予定していた精神病院を介し、対象者としての用件を満たした研究協力者の確保が大変難しく、研究は計画通りに進行しなかった。また、一度研究への協力に同意を得られた研究協力者が体調不良でインタビューが実施できないという状況もあった。しかしながら、研究協力者を探す期間を半年間延長し、数名ではあるが、研究協力者が得られることができ、インタビューを実施することができた。 インタビュー内容を逐語録にし、得られたデータとして、統合失調症の母親をもつ子どもの体験を明らかにしている過程にある。また、これらのデータ分析により、統合失調症の母親をもつ子どもへの心理教育プログラムの開発を試みる予定である。
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