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2012 年度 実績報告書

医療観察法病棟におけるインボルブメント

研究課題

研究課題/領域番号 22792305
研究機関宮城大学

研究代表者

小松 容子  宮城大学, 看護学部, 助教 (80568048)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード患者参加型ケア / ユーザー・インボルブメント / 精神看護 / 司法精神看護 / 医療観察法 / 質的研究 / 患者‐看護師関係 / 確かめ合い
研究概要

24年度は,これまでに収集したデータの再分析,一般精神科に入院している医療観察法の対象となっている入院患者の患者参加型ケアの状況についてのフィールド調査,患者参加型ケアに関する国内文献レビューを通した患者参加型ケアの在り方の多様性についての検討を行った。これらの結果として,意味のある患者参加型ケアというのは,十分に臨床に浸透していないことが明らかとなった。患者と共に作り上げるケア計画や,患者参加のケア会議などが実施されているが,その内容は,患者がその場に同席しているのみや,リスク回避等の観点から,医療者主導のケア計画になることや,患者はインフォームド・コンセントを受けるのみに留まっている事もあった。これらの背景として,看護師自身が「患者参加型ケア」の重要性についての十分な認識がないこと,患者の受動的な姿勢,崩しがたいパターナリズムが考えられた。医療観察法病棟における患者参加型ケアの実現を目指すには,一般精神科全般での患者参加型ケアを目指さなければ,実現されないことも考えられた。また,患者参加型ケアの実現は,医療者(看護師)個々の看護観や患者―看護師関係との兼ね合いも関連してくることが分かった。意味のある患者参加型ケアを行うためには,ケア計画の作成時に患者と一緒に行うことや,ケアに関する話し合いに患者にも参加してもらうという,患者参加型ケアの「かたち」にこだわるよりも,患者―看護師関係において「確かめ合いを重ねる」ことが重要であることが見えてきた。どういうことで対象行為に至ったのか,患者が現在困っている事はなにか,地域で生活するための課題は何か,どのように治療リハビリテーションを進めていったらいいか等について,患者が考え・感じ・体験していることと,医療者(看護師)が認識・判断したこととの確かめ合いの積み重ねが患者参加型ケアにつながっていくと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 治療・リハビリテーションにおける患者の自己決定に関する予備的研究-司法精神科医療における看護師および入院患者への面接調査-2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 雑誌名

      日本看護学会論文集: 精神看護

      巻: 42 ページ: 168-171

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療観察法病棟の入院患者の視点から捉える治療プログラム:治療プログラムへの参加に関する当事者の主観的体験および認識2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 雑誌名

      日本精神科看護学術集会誌

      巻: 55(2) ページ: 321-325

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療観察法下における退院調整に関する患者の体験: 退院計画およびケア会議への患者の関わり2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 雑誌名

      日本精神科看護学術集会誌

      巻: 55(3) ページ: 49-53

    • 査読あり
  • [学会発表] 医療観察法下における退院調整に関する患者の体験: 退院計画およびケア会議への患者の関わり2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 学会等名
      第19回日本精神科看護学術集会専門 II
    • 発表場所
      とりぎん文化会館
    • 年月日
      20121110-20121111
  • [学会発表] 医療観察法病棟の入院患者の視点から捉える治療プログラム:治療プログラムへの参加に関する当事者の主観的体験および認識2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 学会等名
      第19回日本精神科看護学術集会専門 I
    • 発表場所
      秋田市文化会館
    • 年月日
      20120831-20120901
  • [学会発表] 精神疾患患者を対象にした患者参画に関する文献レビュー2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 学会等名
      第43回日本看護学会‐総合看護
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンターグランシップ
    • 年月日
      20120823-20120824
  • [学会発表] 指定入院医療機関の看護師が捉える患者参加型看護の意味2012

    • 著者名/発表者名
      小松容子
    • 学会等名
      第43回日本看護学会‐精神看護
    • 発表場所
      佐賀市文化会館
    • 年月日
      20120719-20120720

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公開日: 2014-07-24  

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