研究課題
グラフマイナー理論に基づく既存のアルゴリズムは,計算時間が入力サイズの多項式のオーダーではあるが,理論的にも実用的にも到底効率的なアルゴリズムとは言えないものである.頂点対が定数(k 組)の点素パス問題に対する Robertson and Seymour のアルゴリズムは計算時間がO(n^3) であったが(n はグラフの頂点数),前年度からの研究で,我々は計算時間をO(n^3)からO(n^2)へ改良した.さらにグラフのクラスをオイラー的なグラフや4辺連結なグラフに制限した辺素パス問題に対して,より単純で高速なアルゴリズムの提案を行なってきた.本年度の研究では,点素パス問題の一般化である S-cycle パッキング問題に対するアルゴリズムを扱った.S-cycle パッキング問題は,グラフ中で指定された頂点を通る点素(もしくは辺素)なサイクルを詰め込む問題であり,点素パス問題の指定頂点対数が定数であるのに対して,指定頂点数が定数でないという意味で大きく難しさの違う問題である.本研究では S-cycle パッキング問題に対して,詰め込むサイクルの個数をパラメータとして,固定パラメータアルゴリズムの提案を行った.そして,グラフクラスを制限した場合において,サイクルの長さにパリティ制約のついた問題に対するアルゴリズムを提案した.また,点素パス問題のアルゴリズムにおいて重要な役割を果たす「グラフの木幅と,そのグラフの持つグリッドマイナーのサイズの関係」について,既存の結果を改良した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Journal of Combinatorial Theory, Series B
巻: 102 ページ: 1020-1034
DOI:10.1016/j.jctb.2011.12.001
Journal of Computer and System Sciences
巻: 78 ページ: 670-680
DOI:10.1016/j.jcss.2011.10.004
Journal of Combinatorial Theory,Series B
巻: 102 ページ: 424-435
DOI:10.1016/j.jctb.2011.07.004
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Progress in Informatics
巻: 9 ページ: 35-36
10.2201/NiiPi.2012.9.7
http://www.misojiro.t.u-tokyo.ac.jp/~y-koba/research.htm