データ列上の非数値計算問題に対し、愚直なプログラムの容易かつ柔軟な記述とその記述からの効率的な並列プログラムの自動導出とを提供する理論と、その実現であるライブラリとを構築できた。これは、本研究で到達したかった目標点である。最適化規則の開発にはスケルトンプログラミングの研究で得た知見が応用されており、また、提唱する生成検査集約プログラミングは3種類のスケルトンで問題を構造化するという新しいスケルトン並列プログラミングの形を与えるものである。この意味において、本研究はスケルトン並列プログラミングを非数値計算問題に対して応用できたと言える。また、生成検査集約プログラミングは動的計画法アルゴリズムの改良・再利用のための枠組とも捉えることができ、アルゴリズムの系統的・機械的導出のための新しい手法を構築しできたとも考えられる。
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