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2012 年度 実績報告書

琉球列島の更新世以降の環境変動に対する陸棲哺乳類の生態学的応答と形態進化

研究課題

研究課題/領域番号 22800015
研究機関東京大学

研究代表者

久保 麦野  東京大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (10582760)

研究期間 (年度) 2010-08-25 – 2013-03-31
キーワード琉球列島 / 化石 / 脊椎動物 / リュウキュウジカ / 古生態学 / メゾウェア分析 / 更新世 / ニホンジカ
研究概要

<比較現生有蹄類のメゾウェア分析>リュウキュウジカやリュウキュウムカシキョンについて、メゾウェア分析による食性復元の精度を高めるため、食性ならびに生息環境が既知の現生ニホンジカを対象にメゾウェアデータの収集ならびにその解析を進めた。日本全国のニホンジカ14集団を対象に、メゾウェアデータと、採食物中のイネ科植物、非イネ科植物、果実等の割合や生息地降水量などの生態データとの関係を調査した結果、採食物中のイネ科植物の割合と最もよく相関した。近似曲線のあてはめにより、メゾウェアスコアから採食物中のイネ科植物割合を推定することが可能となり、この関係式を化石シカ類に適用したところ、イネ科植物の採食割合はリュウキュウジカで約12%、リュウキュウムカシキョンで約8%と推定された。このことは両者とも現生有蹄類の中では木本植物主体のブラウザーに位置付けられること、またリュウキュウジカの方がより中間型寄りの食性を持つことを示しており、炭素・酸素安定同位体分析の結果ともよく整合する。
<現生ニホンジカに見られる歯の性的二型についての形態学的研究>シカ類は現生種に限らず体サイズに顕著な性的二型を持つことが知られている。その結果、体の大きなオスはメスよりも相対的に小さな歯を持つことが指摘されてきたが、その進化生態学的な意味について充分には検討されてこなかった。東北地方に生息するニホンジカ2集団を対象に、切歯サイズの比較を行った結果、メスはオスよりも相対的に切歯が大きいこと、またそれは繁殖可能期間がメスでより長いことに対応していること、さらに島嶼集団ではオスでも切歯の大型化進化が生じるため、切歯サイズの性差が縮小することが明らかとなった。このことは、化石シカ類においても島嶼環境に特異的な選択圧によって、歯の性的二型が縮小している可能性を示唆する。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Female sika deer evolved larger incisors than males under relaxed selection against rapid tooth wear.2013

    • 著者名/発表者名
      Kubo, M. O., Minami, M., Higuchi, N., Ohnishi, N., Okada, A., Kaji, K., Ohba, T., Hosoi, E., Koizumi, T. and Takatsuki, S.
    • 雑誌名

      Biological Journal of the Linnean Society

      巻: XXX ページ: XX-XX

    • 査読あり
  • [学会発表] メゾウェア解析によるニホンジカ個体群間比較

    • 著者名/発表者名
      山田英佑・久保麦野
    • 学会等名
      日本哺乳類学会2012年度大会
    • 発表場所
      麻布大学
  • [学会発表] ニホンジカ切歯サイズに見られる性的二型―磨耗と繁殖戦略の違いがもたらす雌雄差

    • 著者名/発表者名
      久保麦野・高槻成紀
    • 学会等名
      日本哺乳類学会2012年度大会
    • 発表場所
      麻布大学
  • [学会発表] 沖縄県南城市ハナンダガマから出土した後期更新世シカ類の古生態復元

    • 著者名/発表者名
      久保麦野・藤田祐樹・山田英佑・仲谷英夫・大城逸朗・諏訪元
    • 学会等名
      第66回日本人類学会大会
    • 発表場所
      慶応大学

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公開日: 2014-07-24  

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