研究概要 |
本研究の目的は,ソフトウェア開発プロセスの分析・評価を迅速に行い,改善するため,開発プロジェクトの計画時に高品質な開発プロセスを迅速に作成するための支援環境を構築することである.この環境では,過去のプロジェクトでの成功例(ベストプラクティス)を活用することに着目する.また,開発プロセスの品質をプロジェクト計画時に自動的に評価することで,プロセス中の問題のある箇所を早期に検出することが可能になる.この環境により,プロジェクト管理者は,過去のプロジェクトの結果を利用して,優れた品質を持つプロセスを柔軟かつ迅速に構成することが可能となる. 本研究では研究目標達成のために,(1)開発プロセスの品質を評価するための尺度の選定,(2)過去の開発プロセスからのベストプラクティス抽出手法の確立,(3)プロジェクト実施前における開発プロセスの品質評価手法の確立,(4)開発プロセスの記述支援環境の構築,の4つのサブタスクを実施する. 平成23年度は,前年度に検討した作業の並列性に着目したプロセスメトリクスを中心に,いくつかのメトリクスを実際の開発プロジェクトのデータを対象に抽出し,そのベストプラクティスの抽出が可能かを検証した.あわせて,いくつかの開発プロセス中のパターン(ベストプラクティス)を手動で抽出し,プロセスメトリクスの利用によりベストプラクティスの抽出が可能か検討を行った.また,これらの結果をもとに,開発プロセス記述支援環境のプロトタイプ開発に着手した.
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