研究課題
脳内埋植型CMOSセンサを用いて視覚野の神経活動を可視化するため、昨年度に電位蛍光イメージセンサを試作した。また、自由行動下マウスの左右視覚野を同時に測定するデュアルイメージングシステムを構築した。(1)本年度は視覚野でより微量の蛍光変化を検出するため、電位感受性蛍光色素(VSD)の種類に応じたセンサ至適実装条件を検討した。まず励起光源とVSDのマッチングを行うため、複数種のVSDで各々染色したHEK293細胞の薬剤投与刺激時における蛍光スペクトル変化を測定した。測定にはマルチ蛍光分光光度計を使用し、励起光源には固体レーザとデバイス基板に実装するLEDベアチップを使用した。LEDチップを複数種使用し、様々な波長・光強度下で染色細胞を測定して至適励起光条件を検討した。また脳ファントムを作製してデバイスを埋植し、励起光散乱パターンを解析した。パターンが均質になるようLEDチップ配向の最適位置を計算して基板に実装した。以上のようにして改良したデバイスとイメージングシステムで視覚野神経細胞の生理活動を計測した結果、新たに低侵襲な硬膜上計測に成功した。(2)光感受性チャネルタンパク遺伝子を導入した神経細胞に対し、時空間的に随意な光刺激を与えて活化・不活化するデバイスを試作した。動物脳表に適用する必要性からデバイス接触面は平坦実装が好ましく、かつ、光刺激と同時に上記(1)の光計測を行うには、光検出素子アレイ上に不透過構造物は実装できない。そこで透明なサファイア基板にindium gallium nitrideを結晶化させたウエハを用いることで、これまで実現してきた脳神経イメージチップ上にマイクロLEDアレイを構築した。センサのアドレス機能を利用して個別点灯させることが可能である。これにより、顕微鏡や外部光学系を必要としない新しい神経インターフェースデバイスが実現された。
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