研究課題
本年度は、昨年度に開発した情報量およびエントロピー推定手法の展開と、条件付きエントロピー最小化(Conditional Entropy Minimization:CEM)基準による学習の解析及び応用を進めた。情報量は、統計科学、機械学習を始めとする多くの分野において基礎的な量であり、観測したデータの価値を測る尺度として多くの応用が考えられる。本年度はまず、基礎原理として提案した推定量の統計的性質の解明に努めた。具体的には、統計量のバイアスの算出、種々の既存統計量との比較実験を行ない、提案する情報量推定量が高次元、重み付きデータに対して有効であることを明らかにした。次に情報量推定手法の応用として、特に太陽光による発電の予測に付随する予測の信頼性の評価への応用を提案し、国内外の学会にて発表を行った。本応用は、再生可能エネルギーの導入における問題点である発電量の不安定性の評価と対策に寄与するものである。CEM基準による学習方法に関しては、判別問題に適用した際に、クラス内でのデータの変動に対してロバストであることを、音声認識システムに対する応用を通して実証した。その成果を、国内外の学会にて発表し、さらに国際学会に関連研究成果を2件投稿した。CEM基準による学習の枠組みをさらに推し進め、データから抽出した特徴量がその後のデータ解析に望ましい形で分布するように特徴空間の構造を学習する手法を提案した。本成果を国内学会にて発表し、論文誌にも論文掲載が決定された。特徴量の分布に特定の形を仮定するデータ解析手法は数多く有り、本研究の成果を応用することで、そうした分布形に依存する手法の性能を底上げすることが出来ると考えられる。
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