研究課題
本研究課題では、多様な状況に依存する行為の理解に向けて,日常行為の再獲得過程、およびそのダイナミクスを動作解析を用いて検討した。平成22年度から23年度にかけて、(1)頸椎損傷の後遺症で四肢麻痺をもつ書家が口で字を書く行為をどのようにして達成しているのか、(2)高齢者において、「立つ」という日常行為における姿勢動揺のダイナミクスはどのような特徴を見せるのか、という二つの問題について研究を行った。書家の研究においては、同一の字を複数試行書く実験において、運動の変動が、ある特定の変数(筆圧)に影響を与えないような補償的に結びついた領域(Uncontrolled Manifold)内での変動であることが示された。この結果は、書字行為が運動プログラムのようなものの発現ではなく、外部との何らかの関係を保つような複数の運動要素間の協調関係の形成によって制御されていることを示唆するものであり、運動学習の理解に新たな知見をもたらした。この成果は、第16回知覚と行為の国際会議(ブラジル)等の国際学会で発表された。姿勢の研究においては、高齢者の姿勢動揺のダイナミクスが、ダンスなどの運動を定期的に繰り返すことによってより柔軟なパターンへと変化していくことが、Recurrence Quantification Analysisなどの非線形時系列解析指標によって示された。同成果は学術雑誌Frontiers in Human Neuroscienceにおいて学術論文として公刊された。
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