本研究の目的は、腕から計測可能な筋電位を含む多種の生体信号を相互補完的に組み合わせた特徴量を用いて、手の複数の動作意図を精度よく推定する手法を開発することである。本年度は、本研究を実施するための基盤となる、多種生体信号の計測システムの構築および、多種生体信号から推定した動作を比較検証するためのモーションキャプチャシステムの構築を行った。 (1)多種生体信号の計測システムの構築 多種の生体信号を計測するため、32チャネルの計測システムの構築を行った。本システムは、筋電センサ、加速度センサ、圧力センサを前腕に装着し、各センサ入力をAD変換ボード経由でコンピュータに取り込み、時間領域・周波数領域の特徴量を複数抽出が可能である。これらの抽出した特徴量を用いて、Support vector machineによる動作認識実験が行えるようにシステムを構築した。 (2)比較検証用モーションキャプチャシステムの構築 本研究で開発した手法によって動作認識した結果が正しいかどうか、すでに実績のあるモーションキャプチャの計測データと比較検証するため、モーションキャプチャシステムを構築した。本システムは、指MP関節、手関節、前腕の回旋の角度を計測可能とした。
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