研究概要 |
本研究では,未知の惑星環境において,探査ロボットがより安全でより正確に自律移動できるシステムの構築を目的とし,1.不確定性を考慮したロボットの挙動解析モデル,2.未知環境におけるロボットの自己位置推定アルゴリズム,3.確率的アプローチに基づいた経路計画手法という研究にそれぞれ取り組んでいる. 平成23年度においては,主に上記2と3について以下の成果を得た. 自己位置推定手法を実証する目的として,前年度より設計製作を進めていた車輪型移動ロボットテストベッドを完成させた.不整地フィールドにおいて,同ロボットの走行試験を実施し,走行性能を確認するとともに,ロボット搭載のカメラ画像を用いたビジュアルオドメトリによる自己位置推定に着手した.また,前年度開発したレーザ距離センサシステムを用いて地形情報を長距離にわたって取得し,これらの時系列データから自己位置推定をおこなうスキャンマッチングの検討を進めている.これら手法によって推定された自己位置の真値を得るための手法として,探査ロボット搭載のGPSと電子基準点とを用いた基線ベクトル解析による高精度位置計測(数cm)を実現した. さらに,本年度は,レーザ距離センサ(LRF)による3次元地形情報取得,同地形情報に基づくローバの走行経路計画,目的地までのローバの航法誘導,の一連のフレームワークの開発をおこない,ローバテストベッドへの実装を行った.また同フレームワークを用いて,不整地試験フィールド(伊豆大島三原山および阿蘇山砂千里)において,探査ロボットの長距離・半自律走行を達成した.さらに,複数の経路を同時に生成するアルゴリズムを付加するとともに,確率論を組み合わせた経路計画手法について,数値シミュレーションによって検討した.心
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