19世紀末の美術史の動きのなかで「日本的なるもの」が日本でどのようにつくりあげられ、諸外国に受容されたのかを解明するということが本研究の目的である。本研究では、明治期に官僚から日本画家となった高島北海(1850-1931)に注目し、その足跡と活動について国内およびフランスとアメリカで調査を行った。高島北海が国外で水彩の即興画を残していたことが明らかとなり、またフランスで結んだ交友関係の証拠となる、200枚以上の名刺についてデータ化することができた。これらの調査により、近代日本画における高島北海の活動意義を明確にすることができた。
|