研究概要 |
弥生時代における海上交通がどのようにして行われたのか,また,どのような人々が海上輸送を担ったのかの解明を目標とする本研究において,2年目は海人集団の問題を掘り下げた。1年目に引き続いて,弥生時代海人集団のベースキャンプと考えられる新潟県佐渡市高瀬浜端洞穴出土資料の実測作業を実施し,資料化を行った。東北系土器と北陸系土器が大量に出土しており,その時期についてはこれまで,弥生時代中期から古墳時代前期という広い時間幅で捉えられていたが,資料化を経てあらためて検討した結果,弥生時代中期終末と弥生時代後期終末とにピークがみとめられることが明らかとなった。以上のように,資料の位置づけ等を検討して,新潟県考古学会研究発表会で発表し,識者との意見交換を行った成果を雑誌『新潟考古』に投稿した。2012年度初頭に刊行される予定である。
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