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2011 年度 実績報告書

帝国日本における出版市場の再編と合法・非合法商品の資本化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22820061
研究機関日本大学

研究代表者

高 榮蘭  日本大学, 文理学部, 准教授 (30579107)

キーワード日本近代文学 / 検閲 / 出版 / 占領 / 社会主義 / 朝鮮人 / 出版資本主義 / 植民地
研究概要

日本帝国において資本主義的システムが形成されつつあった1920年代~1930年代に焦点を当て、「社会主義」をめぐる合法・非合法的商品が、植民地での市場拡大を試みながらどのように競争していたのかについて注目した。2011年は、以下の三つの点に中点を置いて研究を進めた。(1)新しい研究をスタートさせるための研究資料の構築(資料の調査・分析を含む)。日本帝国の領土内では流通が困難であった非合法的書物が米国で作られ、植民地朝鮮に輸入されていたことに注目し、その手がかりを求め、THE KOREA SOCIETY、ハーバード大学、米議会図書館などで調査を行った。(2)韓国・アメリカにおける日本語・朝鮮語書物の流通・検閲をめぐる共同研究との連携。ワシントン大学で、日本語書物の南米や北米への流通を専門とするE.Mack教授と共同授業と共同調査を行った。また、韓国の検閲研究者らと2回のワークショップ(東京とソウル)を開催した。(3)国際ワークショップを企画・開催し、複数の言語による領域横断的な成果の公表を試みた。日本語と英語による『検閲・メディア・文学』(新曜社、2012・4)の刊行に参加した。奈良教育大学の中谷いずみと連携し、「接続の政治学」という国際ワークショップを2回(7月、12月)開催した。大妻女子大学の五味渕典嗣と連携し、日米韓の書物の流通に関する専門家を招聘し、国際ワークショップ「1930/1960、制度・資本・移動」を開催した。また、引き続き、カナダMcGill大学のAdrienne Carey Hurley教授による『Documentary History of Anarchism in Japan』出版計画に参加している。日本、韓国、アメリカにおける検閲、書物の資本化の問題を、異なる言語・異なる専門分野、異なる地域で活動する研究者とのネットワークを構築することによって、より複合的な側面から捉える基盤が形成されつつある。その意味において、最初に提出した研究目標を充分達成することが出来たと思う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「物語-歴史」から「私」を奪還せよ!-星野智幸『ロンリー・ハーツ・キラー』-2011

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 雑誌名

      日本文学協会『日本文学』

      巻: 60-7 ページ: 56-59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国家の顔という陥穽-文化政治の場における「樋口一葉」と『青鞜』2011

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 雑誌名

      岩波『文学』

      巻: 12-4 ページ: 201-214

  • [雑誌論文] 千政煥「一九三九、植民地朝鮮における読書(II)-日帝末期の読書文化と近代的大衆読者の再構成-2011

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭(翻訳)
    • 雑誌名

      日本大学文理学部人文科学研究所『研究紀要』

      巻: 82 ページ: 13-22

    • 査読あり
  • [学会発表] 占領・民族・検閲という遠近法-'朝鮮/韓国戦争'あるいは'分裂/分断',記憶の承認をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 学会等名
      成均館大学東アジア学術院・人文韓国(HK)事業団主催「近代検閲と東アジアII」
    • 発表場所
      成均館大学(韓国ソウル)(招聘講演)
    • 年月日
      2012-03-17
  • [学会発表] 情動の言語化をめぐる政治学-2011・メディア媒体とフィクションの駆引きから-2012

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 学会等名
      東京大学グローバルCOE・UTCPファイナルシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学(招聘講演)
    • 年月日
      2012-03-05
  • [学会発表] 「検閲」帝国の生成と「非合法」という戦略-『戦旗』と『無産者新聞』を軸に2011

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 学会等名
      ワークショップ「1930/1960、制度・資本・移動」本科学研究費による主催
    • 発表場所
      大妻女子大学
    • 年月日
      2011-10-09
  • [図書] <時代>の閾-戦後日本の文学と真理2012

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭・北川束子, その他
    • 総ページ数
      147-162
    • 出版者
      東京大学グローバルCOE・UTCP
  • [図書] 検閲・メディア・文学-江戸から戦後まで-2012

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭
    • 総ページ数
      122-129
    • 出版者
      新曜社
  • [図書] 『暗殺というスキャンダ』(原題;内藤千珠子『帝国と暗殺』)2011

    • 著者名/発表者名
      高榮蘭(共訳)
    • 総ページ数
      438
    • 出版者
      歴史批評社(韓国)
  • [備考] 日本大学研究者情報システム

    • URL

      http://kenkyu-web.cin.nihon-u.ac.jp/scripts/websearch/index.htm?lang=ja

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公開日: 2013-06-26  

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