開発した術者目線3Dムービー作成・供覧システムを用いて教材コンテンツを作成し、評価を行った。 1)術者目線のオリジナル3Dムービーの活用とその評価 開発した術者目線3Dムービー作成・供覧システムで、パイロットスタディのためのサンプルムービーを撮影した。試作したムービーを歯学部歯学科4年生と教員に供覧させ、質問紙調査による評価を行ったところ、概ね良好な評価を得た。 そこで、歯周外科講義の教材として切開・縫合手技等の3Dムービーを4本作成し、歯学科5年生63名に同時に供覧し、映像を評価させた。学生は、立体映像デモは手技の提示方法として役立つ(70%)、現場での見学より良い(68%)、立体映像デモに興味を持った(76%)と回答した。しかし、通常ビデオの方が良いという回答も多く(57%)、また、目の疲れ(100%)や、気分不快(68%)を指摘した学生も多かった。座席の位置、コンタクトレンズやメガネの有無は、評価結果に影響しなかった。術者目線の3Dムービーは、新たな教材コンテンツとして、概ね良好な評価を得た。しかし、学習テーマを厳選し、クオリティの高い3Dムービーを撮影することが重要であり、活用する際は、講義・実習の中で最も効果的な場面での短時間の供覧が有効と思われた。これらの結果を日本歯周病学会第54回秋季学術大会にて報告した。また、この研究結果により、3Dムービーを応用した教材を医学歯学教育に活用するための準備が整った。 2)既存のeラーニングシステムとの連携と3Dムービーライブラリの構築 撮影したオリジナルの3Dムービーをeラーニングの標準規格であるSCORM準拠のファイルに組み込み、本学で使用しているeラーニングシステム(Blackboard)にアップロードできるようなシステムの開発を行った。
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