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2011 年度 実績報告書

紛争後北アイルランドにおける「個人の物語」の位置―相互行為分析と言説分析から

研究課題

研究課題/領域番号 22830043
研究機関東北学院大学

研究代表者

酒井 朋子  東北学院大学, 教養学部, 講師 (90589748)

キーワード物語研究 / 紛争後社会 / 集合的記憶 / 北アイルランド
研究概要

本プロジェクトの目的は、英国領北アイルランドの地域紛争の経験にまつわる集合的な物語形成の過程と、そこにおける個人の語り実践の位置および意義を、ミクロな相互行為分析とマクロな言説分析の双方から検討していくことにあった。2011年度は、前年度後半に実施した現地調査で収集したデータの整理と分析をおこない、さらにマクロな言説分析をすすめ、両者をあわせて考察した。この結果は、一部を2011年8月に日本オーラル・ヒストリー学会で発表し、また東北学院大学英語英文学研究所の紀要に論文として発表した。また、英文誌Senri Ethnographical Studiesにも原稿を提出しており(論題:"Storytelling Practices and the Formation of Collective Experience : Narratives of the Conflict in Northern Ireland")、現在査読・編集が進行中である。
本年度の考察により、「なにが暴力であるか」をめぐる個人および社会の認識そのものが政治体制の変化のなかで動揺し、変わっていく様子を析出することができた。これはミクロな個人の記憶・経験に中心的な焦点を当てつつも、紛争後「移行期」というマクロ社会的な時期性に着目し、他の移行期社会の事例とも比較検討しながら分析を行ったからこそ可能になった点であり、本プロジェクトのもっとも重要な成果といえる。
なお、年度前半におこなったデータ整理・分析作業の過程で浮上した論点に取り組むため、2012年2月初旬~3月初旬に、北アイルランドにて本プロジェクト二度目の現地調査を実施している(現地住民による経験語りのワークショップについて、関係者10名に聞き取りをおこなっている)。この調査の成果をふくめた考察を論文としてまとめる作業を、現在すすめているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 揺れる日常、変容する記憶:和平プロセス以後の北アイルランド社会2012

    • 著者名/発表者名
      酒井朋子
    • 雑誌名

      東北学院大学英語英文学研究所 紀要

      巻: 第37号 ページ: 1-29

    • 査読あり
  • [学会発表] 移行期社会における記憶と歴史:和平条約後の北アイルランドにおける2011

    • 著者名/発表者名
      酒井朋子
    • 学会等名
      日本オーラル・ヒストリー学会
    • 発表場所
      松山大学
    • 年月日
      2011-08-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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