本年度は、予備調査を含め主に学校調査に的を絞り、学校概要を明らかにするとともに、同地域の基礎知識を得るため以下のとおり現地調査を実施した。 1、予備調査の実施:平成22年9月13日~9月25日 上記期間ケニアを訪問し、まず研究許可の承諾を教育省から得た。その後、スラムのキベラのどの地域を研究対象とするかを見定めるため、研究助手と同地域内を巡回し、学校の位置や周辺地域の様子の確認・把握に努めた。予備調査を通じて研究対象地域を絞ることができ、また20前後の小・中等学校の位置を確認することもできた。これに基づき学校マップ(School Map)を作成し、どの地域に学校が偏在しているのか等を知ることができた。また、予備調査の過程で周辺住民の方と交流し、地域により住民の教育への関心に多少の差があることも把握できた。加えて、県教育省から同地域の小学校数等についての基礎データを得ることもできた。予備調査は、次の学校調査に必要なこの地域の基礎知識を得る貴重な期間となった。 2、学校調査:平成23年1月22日~30日 上記期間ケニアを訪問し、小学校訪問を行った。ここでは、前回の事前調査で把握した小学校のうち、どの学校が教育省による認可を受けた学校であり、またどういった経緯で設立された学校が無認可なのか、詳細なアンケート調査を13の学校に対し実施した。その結果、1校を除く全ての小学校は、教育省または他の省庁を通じて認可されている学校であることが確認できた。また、2校を除く学校では、昨年末、最終学年に属する生徒が小学校修了試験を受験したことから、これら児童を対象として、次回の現地調査では児童のその後の進路について追跡調査を実施できることが確認できた。
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