平成23年度における研究は、当初の研究計画では「第3段階:治安維持組織に対する法的処理の調査」および「第4段階:治安維持組織に対する法的処理の分析」を進める予定であったが、近時の国際社会における紛争処理事例の増加を受けて、軌道修正を試みた。すなわち、これまで研究蓄積として整理していた国際平和活動あるいは平和構築における諸事例を再検討し、アップデートする形で研究を進めていった。 したがって、当初の研究計画に照らせば、「第1段階:平和構築過程における治安維持組織の活動事例の収集・整理」および「第2段階:収集した事例における治安維持組織の活動実態の分析・検討」に位置づけられる考察をさらに深めることとなった。その研究過程において、本科研費補助金をもとに、国内外の文献資料の収集・整理を実施したほか、各種研究会に出席し、国際法および紛争研究にかかわる最新動向について、他の研究者との意見交換を実施した。 本年度の研究報告としては、平成23年6月に日本国際連合学会2011年度(第13回)研究大会の第4セッション「国連について何を研究・教育するのか」において、「国際法・安全保障の観点から」と題する報告をおこなったほか、平成23年7月に大阪大学関係者による研究会にて報告を実施した。 論文としては、本年度の後半から本格的に執筆に着手した国際平和活動に関わる論稿について、収録予定の書籍の編集作業が遅れている関係で、平成23年度中に公刊には至らなかった。当該書籍は平成24年度中に公刊の予定である。
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