開発途上国の教育投資に関する既存研究では、農村における局地的な教育の収益を、農村家計にとっての主たる投資誘因と想定しているが、この研究は、ベトナムのHousehold Living Standard Survey, 1993-2007を使った実証分析により、都市部門における教育の収益が、農村家計の教育投資の決定において重要な要因となっていることを示した。また、推定結果から、義務教育段階に課されている教育の直接費用を政策的低減は、教育の水準分布の改善と都市労働市場の教育の収益へのアクセスを通じて、所得分布を改善するであろうとの示唆を得た。
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