研究概要 |
平成22年度においては,研究目的の2.「流動性の罠に対する国際協調の政策の有効性」と,3.「流動性の罠下における情報公開政策の重要性」に取り組むことが計画されていた.研究目的の2.については,研究計画通り,Benhabib,Schmitt-Grohe and Uribe (2002)(以下BSU)の閉鎖経済動学一般均衡モデルを2カ国モデルに拡張し,BSUによって主張された財政拡張による流動性の罠からの脱却の一般性を調べ,その後,2国ともに財政拡張を行った場合や,為替レート政策の変更など,流動性の罠を脱却する可能性のある国際的な政策について考察することができ,次年度の論文執筆に向けて重要なステップを踏むことができた.研究目的3.についても,中央銀行による情報公開モデルの土台となる,情報公開に特化した理論について,査読つき国際学術雑誌B.E.Journal Of Theoretical Economicsに論文を刊行することができた.さらに,当初平成23年度の研究計画にあった研究目的1.「流動性の罠が経済成長に与える影響」についても,基礎となる,内生的成長と名目価格の硬直性を組み入れたモデルについて,2つの研究会で報告することができ,次年度につながる貴重なコメントを頂くことができた.以上,次年度の研究期間終了に向けて,順調な研究を行うことができた
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