平成22年度には、当初計画していた、(1)専門学校教員に関する基礎的データの収集・整理・分析、(2)関係する分野における先行研究の精読・検討、(3)事前調査の実施及び最新の動向の調査、をほぼ計画通りに実施することができた。 まず、(1)に関しては、文部科学省の集計したデータを本研究の問題意識に照らし合わせて整理・分析し、日本教師教育学会第20回研究大会にて発表を行った。当該発表においては、専門学校教員の養成・採用・研修の特徴について、類型化することができ、専門学校教員の職務についてより詳説な検討が必要であること、教育制度論としての視点の必要性など、聴衆より本研究の発展性について意見を得ることができた。 次に(2)に関しては、主に資料収集を通して、関連する論文・資料を可能な限り体系的に入手し、その内容から、論文「戦後専修学校制度の成立-各種学校制度の展開-」としてまとめることができた。この論文は、専門学校が成立する背景を時系列に詳細に分析したものであり、専門学校教員の学校制度上の位置付けを理解する土台となるものである。 次に(3)については、東京の専門学校関係団体に出向き、専門学校関係資料を入手することができた。当該資料は、次年度の調査の基礎資料として活用する予定である。 以上のように、本年度は研究初年度ということもあり、基礎的な作業と研究成果の発表が主な研究活動となったが、資料収集・研究交流を通して、次年度の研究に繋がる成果を上げることができた。
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