研究概要 |
近年の国際学力調査の結果から,日本の生徒は科学的知識などの理解度については高い数値を示しているが科学論的内容というべき"Nature of Science"についての理解が不十分であると指摘できる。こうした問題状況に対する解決策の一つとして,日本の理科カリキュラムに"Nature of Scienceleの内容を導入し,生徒たちに,こうした内容を直接的に教授することを挙げることができる。というのも,現在,欧米の国々の多くは,実際に,"Nature of Science"を内容として導入した理科カリキュラムが開発され,導入しているからである。このような国際的動向に鑑みると,日本も同様,理科カリキュラムに"Nature of Science"の内容を導入し,日本の生徒に教授することが有効であると考えられる。 そこで本研究の目的は,日本の理科教育に科学論的内容に関する教授・学習プログラムを開発し、その有効性を実証的に解明することである。そのため、欧米の理科教育における"Nature of Science"の内容構成の解明,そして日本の理科教育における"Nature of Science"を導入したカリキュラム開発,さらには,"Nature of Science"の教授・学習プログラムの開発を含めた学習指導方法の確立などが必要となる。特に平成23年度は、以下の3点に取り組んだ。 (1)米国・英国等における科学論的内容の教授・学習に関する基本的枠組みに関する研究発表 (2)科学論的内容に関する教授・学習プログラム(プロトタイプ)の開発 (3)教授・学習プログラムの実践および有効性・問題点の検証・分析 開発した教授・学習プログラムは、さらに実践を重ね、信頼性および妥当性を向上させる予定である。
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