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2011 年度 実績報告書

発達性読み書き障害児における有色透明フィルム使用が音読速度に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 22830071
研究機関目白大学

研究代表者

後藤 多可志  目白大学, 保健医療学部, 助教 (50584231)

キーワード発達性読み書き障害 / 有色透明フィルム / 音読速度 / 視知覚
研究概要

色のついた透明プラスチックフィルム(以下、有色透明フィルム)が発達性読み書き障害児の音読速度に与える影響に関しては、まだ一致した見解はない。本研究は、日本語話者の発達性読み書き障害児群を対象とし、音読速度へ有色透明フィルム使用が与える影響について検討することを目的としている。平成22年度(第1研究)は、日本語話者の発達性読み書き障害児に音読課題を実施し、有色透明フィルムの色の要因が音読速度に与える影響を検討した。その結果、典型発達児群、発達性読み書き障害児群ともに、有色透明フィルムの使用は音読速度に影響を及ぼさないのではないかと考えられた。一方、第1研究における照度の統制が先行研究との結果の相違に影響を与えている可能性があり、検討の余地があると思われた。そこで平成23年度(第2研究)は、第1研究の中で照度条件を統制しない音読課題を実施し、有色透明フィルム使用が音読速度に与える影響を照度と色の変化を合わせた要因に焦点を当てて検討した。対象児は、典型発達児24名と発達性読み書き障害児13名である。実験手続きは第1研究と同様だが、有色透明フィルム使用時に低下した課題の表面照度の補正は行わなかった。その結果、典型発達児群、発達性読み書き障害児群ともに、照度の要因を検討した場合であっても、有色透明フィルム使用は発達性読み書き障害児の音読速度に影響を及ぼさないのではないかと考えられた。音読速度に影響を与えることが想定される色と照度に焦点を当てて音読実験を実施した結果、有色透明フィルム使用による音読速度の有意な短縮は認められなかった。有色透明フィルム使用は、発達性読み書き障害児の音読速度向上に寄与しないのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] 視覚的記憶力の低下を呈した中学生男児1例における英語音読2012

    • 著者名/発表者名
      蔦森英史、宇野彰、春原則子, 他5名
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: 53(1) ページ: 8-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小学4年生の漢字単語読解力と音読力、単語の聴覚的理解力に対する単語属性の影響-児童による評定値を用いて-2011

    • 著者名/発表者名
      土方彩、宇野彰、春原則子
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: 52(3) ページ: 225-232

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 有色透明フィルムが発達性読み書き障害児の音読速度に与える影響2011

    • 著者名/発表者名
      後藤多可志、宇野彰、春原則子, 他4名
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: 52(2) ページ: 173-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発達性読み書き障害児と小学生の典型発達児における漢字書取の誤反応分析-小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)を用いて-2011

    • 著者名/発表者名
      井村純子、春原則子、宇野彰, 他6名
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: 52(2) ページ: 165-172

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An investigation into kana reading development in normal and dyslexic Japanese children using length and lexicality effects2011

    • 著者名/発表者名
      Ami Sambai, Akira Uno, Suzuko Kurokawa, Haruhara Noriko, Masato Kaneko, Noriko Awaya, Junko Kozuka, Takashi Goto, Eishi Tsutamori, Kazumi Nakagawa, Taeko N.Wydell
    • 雑誌名

      Brain & Development

      ページ: 520-528

    • DOI

      10.1016/j.braindev.2011.09.005

    • 査読あり
  • [学会発表] 有色透明フィルム使用が発達性読み書き障害児の音読速度に与える影響について2012

    • 著者名/発表者名
      後藤多可志、宇野彰
    • 学会等名
      第7回障害科学学会
    • 発表場所
      茨城
    • 年月日
      20120300
  • [学会発表] 高校生の音読速度基準値作成の試み2011

    • 著者名/発表者名
      宇野彰、春原則子、金子真人、後藤多可
    • 学会等名
      第106回日本小児精神神経学会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      20111100
  • [学会発表] 発達性読み書き障害児の語音想起力の検討-絵の呼称課題における正確性を指標にして-2011

    • 著者名/発表者名
      後藤多可志、宇野彰、春原則子, 他5名
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 小学2年生典型発達児における音読速度に関与する認知機能についての縦断的検討2011

    • 著者名/発表者名
      朝日美奈子、宇野彰、春原則子, 他4名
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 単語、非語、文章の速読課題における発達性dyslexia児の特徴-典型発達児群との比較-2011

    • 著者名/発表者名
      田丸千智、宇野彰、春原則子, 他5名
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 日本語話者発達性dyslexia児の音読における視覚的記憶の関与2011

    • 著者名/発表者名
      蔦森英史、宇野彰、Taeko Wydell, 他5名
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 流暢性の向上を目指した発達性dyslexia児一例のひらがな書字指導経過2011

    • 著者名/発表者名
      水野奈緒美、川崎総大、後藤多可志, 他3名
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] Visual memory deficits in a Japanese boy with development dyslexia : A case study2011

    • 著者名/発表者名
      Uno A, Haruhara N, Kaneko M, Awaya N, Kozuka J, Gotoh T
    • 学会等名
      18th Annual Conference of the Society for the Scientific Study of Reading, Symposium : Cross-linguistic approaches to the study of visual and phonological aspects of reading
    • 発表場所
      USA, Florida
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] 読み書き困難や視写困難が学習到達度に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      川崎総大、北村満、荻野優子、後藤多可志、奥村智人
    • 学会等名
      第11回発達性ディスレクシア研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20110700
  • [学会発表] The underlying cognitive deficits of kana reading impairment : Insight from simulation and empirical studies2011

    • 著者名/発表者名
      Sambai A, Uno A, Haruhara N, Kaneko M, Awaya N, Kozuka J, Goto T
    • 学会等名
      The 8th BDA International Conference, Symposium : Cross-Linguistic stdies into developmental dyslexia : Possible causes
    • 発表場所
      UK, Harrogate
    • 年月日
      20110600
  • [学会発表] コミュニケーションスキルに及ぼす統語指導の意義-統語機能がTOMや質問応答関係検査結果に及ぼす影響-2011

    • 著者名/発表者名
      川崎聡大、荻野優子、菓子井佐江子、北村満、後藤多可志
    • 学会等名
      第37回日本コミュニケーション障害学会
    • 発表場所
      長野
    • 年月日
      20110500

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公開日: 2013-06-26  

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