本研究では、日本語話者の発達性読み書き障害児群を対象とし、音読速度へ有色透明フィルム使用が与える影響を色と明るさの2要因について検討した。対象は発達性読み書き障害児33名と典型発達児42名である。刺激はひらがなの単語と非語、カタカナの単語と非語および文章である。音読課題は、フィルム不使用条件、無色透明フィルム使用条件及び有色透明フィルム使用条件の3条件で実施し、音読所要時間を計測した。実験の結果、有色透明フィルム使用による音読速度の有意な短縮は認められなかった。有色透明フィルム使用は、発達性読み書き障害児の音読速度向上に寄与しないのではないかと考えられた。
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