研究1 大学生の睡眠状態についての実態調査と類型化 (1)目的;介入プログラムの開発に先立ち,大学生の睡眠状態についての実態調査を行った。(2)方法;大学生約300名に対し,睡眠状態の指標としてPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI),睡眠に対する非機能的な信念と態度質問票などの認知行動的要因を測定する尺度を使用し,類型化を試みた。(3)結果:大学生の睡眠状態として4つのサブタイプが抽出された。一方で,睡眠改善に対する動機づけの問題が想定されたため,被験者にとって参加のためのコストが低いプログラムの必要性が推察された。 研究2 大学生を対象とした睡眠問題に対する認知行動療法プログラムの開発 (1)目的;研究1および先行研究の結果を元に本研究の最終目的である大学生を対象とした睡眠問題に対する認知行動療法プログラムを開発し,その効果を検証した。(2)方法;大学生200名程度を対象にし,①講義による睡眠衛生教育+E-mailを用いた介入,②講義による睡眠衛生教育,③統制群を設定し,介入を行った。介入効果の評価として,PSQIおよびK6を介入前,介入後,3か月後,6か月後に測定した。(3)結果;介入前後において,PSQIおよびK6の減少がみられ,介入プログラムが有効であることが示された。
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