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2011 年度 実績報告書

企業統治の構造が資金調達に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 22830090
研究機関立命館大学

研究代表者

田中 孝憲  立命館大学, 経済学部, 准教授 (50587285)

キーワード企業統治 / 企業金融 / 応用計量経済学
研究概要

本年度は、日本の企業統治に近年重要な役割を果たしている外国人投資家に注目し、外国人投資家と社債の満期までの償還期限との関係について分析を行った。海外では、企業統治制度と負債の償還期限に関する研究は存在するが、企業の財務データから負債の償還期限に関する変数を作成しており、新規発行の社債の償還期限に関する分析はなされていない。日本では、企業の財務データから負債の償還期限を知ることはできないので、新規発行の社債の償還期限と企業統治に関する研究はされているが、かつての企業統治の主役であった銀行に焦点を当てている。そのため、銀行の役割が低下した後に急激に増加した外国人投資家についての分析はされていない。このような先行研究の状況からも本研究の独創性を知ることができる。
実証分析の結果、外国人投資家の持株比率が高い企業は満期までの償還期間が比較的長い負債を発行できることがわかった。これは、企業統治システムとしての外国人の経営者監視活動は、債券投資家にとって好意的に判断された結果、当該企業は満期の期間が長い負債を発行できるということを意味する。
驚くべきことに、この結果はアメリカのデータで分析して得られた結果とは逆の関係を示している。つまり、企業統治システムと負債の償還期限との関係についての新たな視点を提供することができたのである。このことは、本研究で得られた結果というのは、学術的に非常に重要で興味深いことを意味している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Corporate Governance and the Costs of Public Debt Financing : Evidence from Japan2011

    • 著者名/発表者名
      田中孝憲
    • 雑誌名

      Discussion Papers in Economics and Business, Osaka University

      巻: 11-35

  • [学会発表] Corporate Governance and Debt Maturity Structure : Evidence from Japan2011

    • 著者名/発表者名
      田中孝憲
    • 学会等名
      日本経済学会
    • 発表場所
      熊本学園大学(熊本県)
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] Corporate Governance and Debt Maturity Structure : Evidence from Japan2011

    • 著者名/発表者名
      田中孝憲
    • 学会等名
      日本ファイナンス学会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-05-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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