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2011 年度 実績報告書

統合失調症の陽性症状の促進要因:侵入思考への対処方略からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 22830106
研究機関いわき明星大学

研究代表者

佐藤 拓  いわき明星大学, 人文学部, 助教 (10577828)

キーワード侵入思考 / 思考のコントロール / 対処方略 / 統合失調症 / 統合失調症型パーソナリティ
研究概要

統合失調症やうつ病など、様々な精神障害において侵入的な思考が症状の中核を占めていることが指摘されている。統合失調症患者はこれらの思考に対して不適切な対処方略によって抑制を試みていることが先行研究で報告されている。本研究は、侵入思考への対処方略と統合失調症と関連する諸特徴との関連を検討し、症状緩和につながる介入方法の考案に資することを目的とした。
本年度は昨年度に引き続き、認知機能と侵入思考への対処方略の関連について検討を行った。また、不適切な対処方略、思考の統制感、外的帰属傾向と、被害妄想的観念やQOLの関連について検討を行った。主な結果は下記のとおりである。
1. 統合失調症群では認知機能と不適切な対処方略の間に負の関連が、健常者群では認知機能と適切な対処方略との間に正の関連が示された。ただし、統合失調症型パーソナリティ傾向の高い健常者では、認知機能と不適切な対処方略の間に負の関連が示された。
2. 侵入思考に対する統制感を測定するため、日本語版Thought Control Ability Questionnaire の開発を行い、その信頼性、妥当性の検証を行った。次に、被害妄想的観念の程度が、思考の統制感、対処方略に影響を受けるかどうかを縦断的調査によって検討した。その結果、初回時に測定された思考のコントロール感と対処方略が3週間後に測定された被害妄想的観念の頻度、苦痛に影響を及ぼすことが確認された。また、思考の統制感は約9ヶ月後の頻度にも影響を及ぼした。
3. 統合失調症様の体験を示す統合失調症型パーソナリティとQOLの関連を構造方程式モデリングによって検討した。その結果、統合失調症型パーソナリティは、外的統制傾向、思考の統制感の低下と関連があり、思考の統制感の低下は不適切な対処方略を引き起こし、QOLの低下につながることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 統合失調症型パーソナリティと思考コントロール方略の関連2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤 拓、荒木 剛、池田和浩、菊地史倫
    • 雑誌名

      新潟リハビリテーション大学紀要

      巻: 1 ページ: 31-36

  • [学会発表] Thought Control Ability Questionnaire 日本語版の開発2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤 拓、荒木 剛、池田和浩、菊地史倫、仁平義明
    • 学会等名
      東北心理学会第66回大会・新潟心理学会第49回大会 合同大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市)
    • 年月日
      20120714-20120715
  • [学会発表] 統合失調症における侵入思考への対処方略と認知機能障害の関連2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤 拓、宮澤志保、東海林渉、荒木 剛、池田和浩、菊地史倫
    • 学会等名
      日本感情心理学会第19回・日本パーソナリティ心理学会第20回 合同大会
    • 発表場所
      京都光華女子大学(京都市)
    • 年月日
      20110902-20110904

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公開日: 2014-07-24  

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