本研究では、1969年にドイツ連邦共和国(西ドイツ)の首相となるヴィリー・ブラントの東方政策(Ostpolitik)について、ヨーロッパにおける冷戦の終焉との関係に着目した研究を行った。二年間の研究期間に、単著と共著の刊行、雑誌論文、国際セミナーを含む学会報告などの研究成果得た。そこでは西ドイツ政府が、東方政策の成果を、1975年のヘルシンキ最終文書署名に至るヨーロッパ安全保障会議(CSCE)の開催によって「多国間化」すべく、積極的に働きかけていた点を明らかにし、それが冷戦の終焉にいかなる影響を与えたのかについての考察を行った。
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