研究概要 |
本研究によって得られた結果は以下である:(1)リッチ曲率が一様に下に有界なリーマン多様体の極限空間において,その一次元正則集合が空でなければ,その極限空間はある(境界があってもよい)一次元完備リーマン多様体と等長的である.(2)同じくリッチ曲率が一様に下に有界なリーマン多様体の極限空間を考える.このとき,そこではほとんど至る所,測地線の間の角度が定義でき,弱い意味でのそのヘルダー連続性,グロモフ・ハウスドルフ位相に関する連続性が成りたつ.また,そのような極限空間上では何らかの意味で二階微分可能な構造を入れることができ,その二階微分可能な構造に関してリーマン計量は一階微分可能であることがわかり,レヴィ・チビタ接続が一意的に定まることもわかる.また,ディリクレ問題に関する固有関数は二回微分可能であることもわかり,このことから$ L〈2$一空間の中で,二回微分可能な関数からなる空間が稠密であることも従う.
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