無機カイラル磁性体の新規物質の探索及び単結晶の育成を目標に掲げ研究を行った。カイラルな結晶構造を有する無機化合物は再結晶化及び育成条件の最適化を行うことで、より大型の単結晶試料の育成に成功した。また、粉末中性子回折測定を実施し、強磁性体であると考えられてきたCr1/3TaS2が200Å以上もの周期を有する長周期非整合構造であることを示した。詳細な磁気構造解析を行うことで、この非整合構造がらせん磁気構造であることが判明した。本物質はカイラルな結晶構造を有するため、この長周期らせん磁気構造はカイラルな磁気構造であることが考えられる。
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