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2010 年度 実績報告書

2層独立コンタクト量子ホール素子による層間コヒーレンスの検証

研究課題

研究課題/領域番号 22840045
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

寺澤 大樹  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90589839)

キーワード強相関電子系 / 低温物性 / 量子井戸 / 半導体物性 / メゾスコピック系
研究概要

今年度は2層独立コンタクトを持つ試料の開発と実験装置や設備の開発を主に行った。従来の2層系試料は電極を蒸着した場合両方の層にコンタクトしてしまうため,1層ずつ分離するためのゲート電極の取り付けを行うなどのプロセスの見直しが必要である。試料のデバイス化については完全に達成できていないものの,研究に使えそうな試料の準備が可能となりつつある。今後,テストを重ねて実験を行う予定である。実験設備に関しては,希釈冷凍機内に設置する試料への配線やマイクロ波導入用の同軸ケーブルの整備を行い,実験の環境を整えた。また,簡易測定用の冷却システムを兵庫医科大学内にも設置中である。電気抵抗測定用の機器類を購入し,実験準備が進んだ。
上記の他に,測定する量子ホール状態の性質を調べるため,2層系ν=1量子ホール状態における層間と層内のクーロン相互作用やスピン自由度に関する実験を行った。結果からは,2層系では核スピンのコヒーレンスが1層系よりも長い可能性があることや,2層系ν=1においてもヒステリシスが発生する場合があることなどがわかり,いずれも興味深い結果となった。前者は量子コンピュータやスピンデバイスの実現に重要な核スピン-スピン相互作用やスピンのコヒーレンス時間に関する情報を含んでおり,後者は2層系ν=1量子ホール状態でもスピンによるドメインができている可能性を示している。スピンに関する新たな知見が得られる結果となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Activation study of collective excitations of the soliton-lattice phase in the v=1 double-layer quantum Hall state2010

    • 著者名/発表者名
      D.Terasawa, A.Fukuda, A.Sawada, et. al.
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 81 ページ: 073303-1-073303-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 2層系量子ホール状態における核スピン制御の可能性2010

    • 著者名/発表者名
      寺澤大樹
    • 学会等名
      第15回半導体スピン工学の基礎と応用PASPS-15半導体スピントロニクスの展開
    • 発表場所
      筑波大学 計算科学研究センター
    • 年月日
      2010-12-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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