今年度は、自由落下(微小重力)試験装置に組み込むコンポーネントの各個開発を行った。 まずは、微小環境を模擬するために仮の試験質量を振り子につるした状態で、非接触センサ(静電容量型センサ)、非接触アクチュエータ(静電アクチュエータ)の動作検証を行った。また、それらとアナログ信号処理部やデジタル信号処理部との組み合わせ試験を行った。非接触センサやアクチュエータについては、1自由度の状態でほぼ設計どおりの性能がでることを確認した。 これ今後、多自由度化して行くためには、センサ、アクチュエータともに自由度の分離やゲインの調整が必要になるため、それらが可能になるよう、アナログおよびデジタルの信号処理部の開発を行った。とくに、アナログ回路について、センサやアクチュエータとのフロントエンド部分については(なお、センサとアクチュエータは同じ電極板を共有する構造となっている)、のべ長時間使用していると、回路のIC素子が暴走することがあることが分かった。これについては原因を調査中であり、今後回路の改修を行う予定である。デジタル回路部分については、はじめ、既存品を用いたので、開発すべき部分は回路上のFPGAにフィルターを組み込む部分だけであった。実際にこれを組み込み、先に開発したセンサ、アクチュエータ系と合わせて、1自由度分について制御ループを構成し、1自由度の組み合わせ動作が可能であることを確認した。また、今後の多自由度化にそなえて、入力・出力チャンネルを16chに増やしたものを開発した。 こうして、各コンポーネントの開発と、それに付随した問題の洗い出しを行った。
|