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2011 年度 実績報告書

赤外分光を用いた骨系細胞の力学応答現象計測

研究課題

研究課題/領域番号 22860002
研究機関東北大学

研究代表者

青沼 有紀  東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80582262)

キーワード細胞情報・動態 / 細胞分化 / 赤外分光
研究概要

前年度に引き続き,赤外分光を用いて細胞応答現象を観察・評価するため,赤外分光装置の試料室内に培養細胞に対する実験系,および,観察系を設計・構築した。本年度は,本研究課題で目標としている力学実験系への展開に先立ち,赤外分光計測による細胞動的過程の検出・評価法について検討した.
前年度に構築した,赤外分光装置内での長期培養系において,灌流培地に薬剤を添加することにより,生化学刺激に対する細胞応答観察系を構築した.この観察系を用いて,薬剤投与下の脂肪前駆細胞3T3-L1の脂肪細胞への分化過程を経時的に計測した.脂肪細胞への分化過程の赤外分光計測においては,脂肪生成にともないエステル結合に帰属される1739cm^<-1>周辺の赤外吸収スペクトルピークの増強が認められる.これに対し,抗肥満作用として脂肪滴形成を促進する薬剤,ならびに,脂肪生成を阻害する薬剤投与下において脂肪細胞への分化過程の赤外分光計測を試みたところ,それぞれ赤外吸収スペクトルピーク強度の増加,減少が計測された.これらの赤外吸収スペクトルの経時変化は,それぞれの薬剤投与にともなう脂肪生成促進と脂肪生成阻害に由来すると考えられる(投稿準備中).
また細胞培養セル中の試料に対し,赤外分光計測と並行して光学顕微鏡による観察をおこなった.脂肪細胞分化の経時的計測において,脂肪生成に由来する赤外吸収スペクトルピーク強度の増加が,光学顕微鏡観察により脂肪滴形成が認められるよりも早く検出される様子が観察された.このことは,赤外分光を用いた非標識非侵襲計測法が,細胞の動的過程にともなう形態変化に先行する細胞内組成の変化を計測しうる有用な手法であることを示している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 表面赤外分光法を用いた脂肪細胞分化過程の非標識計測2012

    • 著者名/発表者名
      青沼有紀
    • 学会等名
      日本表面科学会東北・北海道支部学術講演会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2012-03-09
  • [学会発表] Long-term Monitoring of Cell Differentiation Using Surface Infrared Spectroscopy2011

    • 著者名/発表者名
      Yuki Aonuma
    • 学会等名
      The 6^<th> International Symposiumon Surface Science
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2011-12-14

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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