研究課題
本研究では、処分場覆土内部における物質・熱の同時挙動を解明し、覆土層の物理・化学環境を考慮した物質・熱輸送係数予測モデルを構築することを目的とする。平成23年度は、埼玉県内から採取した廃棄物処分場最終覆土を用いて、覆土内のメタン酸化能を有効に機能させるための最適な物理・化学条件および堆肥等の混入による効果を調べた。三種類の異なる組成(窒素・リン・カリウム成分)を有する堆肥を覆土に混合させた試料のメタン酸化能を調べ、またメタン酸化能が最も効率的に働く最適な水分条件と混合割合を明らかにした。加えて、堆肥・覆土混合試料を異なる締固め度で突き固めた試料を用いて、ガス輸送係数(ガス拡散係数・通気係数)を測定し、堆肥・覆土の混合割合、試料の締固め度、ガス輸送係数、試料のメタン酸化能を表すパラメータとの関係性を明らかにした。ガス輸送係数については、覆土試料に加え国内外の異なる物理特性を有する試料についても測定および文献値の収集を行い、試料の物理・化学特性を関数とする汎用的な予測モデルを構築した。さらに、異なる水分条件での覆土試料の熱物性(熱伝導率・熱容量)についても測定し、既存の予測モデルの妥当性を確認した。本研究成果で得られた覆土層の物理特性を関数とするガス輸送係数、熱伝導率、メタン酸化能を表すパラメータの予測モデルを用いて、廃棄物処分場からのメタン放出量に関する数値解析を行い、覆土の締固め度と厚さがメタン放出量に与える影響について調べた。結果、特に覆土層の厚さが覆土内のメタン酸化能に大きく影響することを明らかにした。
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Vadose Zone Journal
DOI:10.2136/vzj2011.0092
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