| 研究概要 |
本研究では,ナノサイズの充填剤を混入させた高分子絶縁材料(ナノコンポジット絶縁材料)の直流電力機器への実用可能性を明らかにするため,一連の電気物性を明らかにするとともに,直流絶縁破壊メカニズムについて検討を行った. MgOナノフィラーをLDPEに添加したナノコンポジット絶縁材料は,高電界下においても無添加LDPEより電気伝導性が低いことに加えて,高い直流絶縁破壊の強さを有する良好な直流絶縁材料であることを明らかにした.さらに,直流高電界下でMgOナノフィラーにトラップされた同極性(ホモ)空間電荷が伝導電流の上昇を抑制し,絶縁破壊の強さを上昇させるメカニズムを明らかにした.さらなる効果的なナノサイズ構造探索のため,ナノサイズ空孔構造に着目し,アルミナ/エポキシコンポジットにナノサイズ空孔構造を導入することより低誘電性を持つ絶縁材料が実現できることを明らかにした.
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