本研究は、マイクロ形状を3次元で計測するための位置検出プローブの開発を目的としている。微小球共振器表面に発生するエバネッセント光を物体表面で散乱させ、共振状態を変化させる。その変化を観察することで、高分解能な位置検出を目指す。プローブとして十分なSN比を確保するためには、高効率に光を球に入射させる必要がある。そこで、テーパファイバを用いた高効率の光結合の理論的かつ実験的な検討を行った。WGMおよび光ファイバの電場はマクスウェルの方程式から各々の境界条件を適用することで求める。それらの電磁場から、光結合理論を用いて結合の効率を計算した。興味深いことに、光ファイバと球は接触せずに、球表面から半波長ほど離れた箇所にファイバを設置することで最も効率よく光結合できることがわかった。また、これを実験的に再現するため、テーパファイバを用いたWGMを発生の光学系を構築した。直径100μmのガラス球に直径2μmの光ファイバを用いて、10%程度の結合効率が得られた。しかし、理論的には90%程度の効率が達成できるはずであるため、光ファイバの状態や光の偏光状態等を今後注意深く検討していく必要がある。
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