研究概要 |
本研究の実施計画は大きく,「自由度に対して冗長な多数の2値入力信号を用いた統計的制御のための身体-制御間インタフェースの提案」と「確率共鳴を用いた大量,異種の2値信号センサ情報を統合する身体-制御間インタフェースの提案」に分けることができる.前者については,本年度は複数のオンオフバルブを並列に並べた試作機(申請書において説明したもの)を作成した.また,1自由度を空気圧人工筋で拮抗に駆動するロボットアームに対し,試作したインタフェースを適用することで本アイデアの妥当性を確認することができた.しかし,この研究に関する学会発表・論文などの成果発表は行えていない.一方で,最終的にインタフェースを適用することを予定している筋骨格ロボットアームについては,そのハードウェアの有用性を示す研究に関する成果発表を行っている.後者の確率共鳴の工学的利用に関しては,当初予定している研究内容とは異なるが,ロボットの行動則において確率共鳴を利用するための単純なロボットの行動規範を提案した.この行動規範に関する一連の研究成果は,理論生物学における中心的な論文誌(Journal of Theoretical Biology)に掲載された.この論文では,提案した行動規範を大腸菌の走化性におけるノイズ利用の可能性を示すものと捉え,新たな仮説を提案している.工学的応用についても,本研究計画との関連は少ないがいくつかの研究を行い,その有用性を示した.来年度では,本プロジェクトが目指す身体-制御間インタフェースにおいて,この研究成果を応用することを予定している
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