研究概要 |
フォトニックNWにおける光増幅器の動的利得制御法として,L帯のEDFAに対して,自立型動的利得制御法の提案と原理確認,及び定性的な性能明確化の検討を行った。まず,利得検出過程に関する理論モデル構築と定式化及び数値計算を行い,具体的な実験系の設計を行った。L帯EDFAに関する検討では,同じ種類のEDFを用いて,参照EDFAとして,C帯EDFAを構築して比較検討した。フォトニックNWにおける波長多重(WDM)信号光の波長範囲及びパワー範囲を決定し,その範囲内でのL帯EDFAの動作を検証した。自然放出光を受光する大口径のInGaAsフォトダイオードとしてFermionics社製の口径5mm及び3mmのモジュールを購入した。それらの大口径フォトダイオードの良好な低暗電流特性及び高速時間応答特性を確認した。また,L帯EDFAでは,利得検出精度に,EDFの励起光波長依存性やEDF長依存性が生じる可能性があるため,励起光波長として,アンリツ社製の1440nm及び1490nmのLDモジュール2種類を用意した。さらに,EDFの種類として、住友電工社製の吸収係数などのファイバパラメータの異なるものを3種類購入した。上記の3種類のEDFそれぞれに対して、EDF長として利得が20dBとなる長さのものを用意した。利得が同じ場合,EDF長は短い方が,本提案方法において有利であることを確認した。EDFAの増幅性能に明らかな劣化が認められない範囲において,Er濃度が高く,EDF長が短くなるタイプのEDFの優位性を確認した。上記の励起光波長とEDF長の組み合わせを最適化することにより、本提案方法における利得検出精度が向上することを確認した。
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