フォトニックネットワークにおける光増幅器の動的利得制御法に関し、提案した自立型動的利得制御法を用いた利得検出光回路構成法の検討を行った。半導体光増幅器の自然放出光(SE光)受光型利得検出に関して、小信号動作では、信号光のレイリー散乱や界面散乱に起因する雑音が無視できるが、大信号動作では、それらの雑音パワーとSE光パワーのレベルの比較が必要であることが分かった。 エルビウム(Er)添加光ファイバ増幅器(EDFA)に関して、前年度(平成22年度)の検討結果を踏まえて、利得検出光回路構成法の検討を行った。具体的には、利得検出光回路実装時のEr添加光ファイバ(EDF)と大口径InGaAsフォトダイオード(PD)の空間配置が利得検出精度に与える影響を調べた。EDFのSE光サンプリングポイントの位置ずれにより、利得検出誤差が生じるが、その位置ずれが約2cm以内であれば良好な利得検出精度が得られることが分かった。利得が約15dBの場合、L帯EDFAのEDF長は、吸収係数が18.5、24.7dB/mのEDFに対してそれぞれ20.3、15.2mであった。また、利得検出精度のサンプリングポイント数依存性を調べた。C帯EDFAとL帯EDFAともに、サンプリングポイント数が6以上であれば、良好な利得検出精度が得られることが分かった。利得検出精度のEDFと大口径PD間結合比率依存性に関して、結合比率誤差が5%以内であれば良好な利得検出精度が得られることが分かった。 さらに、上記のSE光受光技術の応用技術として、EDFAの自立型の雑音指数検出法の検討を行った。自立型構成を有するEDFAの利得検出光回路と雑音指数検出光回路を1か所ずつ設置することにより、利得と雑音指数が同時に検出可能であることが分かった。雑音指数検出精度に関して、C帯EDFAとL帯EDFAともに、サンプリングポイント数が2以上であれば、良好な検出精度が得られることが分かった。
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