• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

衛星画像による浅水域の水深推定:観測波長帯の増加を利用した推定式一般化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 22860044
研究機関山口大学

研究代表者

神野 有生  山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30583760)

キーワードリモートセンシング / 水深 / マルチスペクトル画像 / 回帰分析 / サンゴ礁
研究概要

昨年度使用した,石垣市沿岸のサンゴ礁水域を撮影した4枚のWorldView-2衛星画像に加え,新たに竹富島,テニアン島,Gili島(インドネシア)を撮影した3枚のサンゴ礁水域の画像を解析対象として,一般性をもつ水深推定式の構築可能性を検証した.具体的には,計7枚のWorldView-2画像と,各画像に対応する水深実測データを準備して,水深と各可視バンドの対数補正放射輝度を変量とする画像別のデータセットを作成した.個々のデータセットと,それらを結合したデータセットについて,回帰分析理論に基づく新たに開発した方法でLyzengaの水深推定式(各可視バンドの対数補正放射輝度の線形関数)の係数の組を推定した.その結果,底質・水質分布の画像間不均一性にも関わらず,結合データセットは自由度調整済み決定係数が0.931と7画像中2番目に大きく,平均水深5.073mに対して残差平方平均平方根は1,179mと,比較的優れた精度が得られた.従って,これらの水域に対して,多様な底質・水質に適用可能な一般性をもつ水深推定式を構築できたと考えられる.
当初計画していた山口湾でも,データセット作成のためにRTK-GPSを用いた深浅測量を行ったが,対応する好条件の衛星画像が得られなかった.そこで代わりに,竹富島でRTK-GPSと魚群探知機・水中カメラを用いた現地調査を行い,竹富島のデータセットを作成した次第である.山口湾の深浅測量結果の有効活用として,ニューラルネットワークによる水深推定法を開発・検証し,WorldView-2の8バンドを用いることで決定係数0.988という極めて高い精度が得られることを実証した.
当初計画していた分光放射計を用いた測定については,3回の較正を試みたものの不具合のため妥当な結果が得られず,現在,同機器の調整中である.ただし代わりに,WorldView-2の6個の可視バンドのうち,どのバンドやバンドの組が水深推定に有用であるかに関する解析を行い,いずれのバンドも有用であるが,特にBand3(緑)が際立って有用であることを明らかにした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Shallow Water Bathymetry from Multispectral Satellite Images : Extensions of Lyzenga's Method for Improving Accuracy2012

    • 著者名/発表者名
      Ariyo Kanno, Yukio Koibuchi, Masahiko Isobe
    • 雑誌名

      Coastal Engineering Journal

      巻: (未定)(印刷中)

    • DOI

      10.1142/S0578563411002410

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 衛星画像によるサンゴ礁の水深推定-バンド数倍増に伴う精度向上の検証-2011

    • 著者名/発表者名
      神野有生
    • 雑誌名

      土木学会論文集B2(海岸工学)

      巻: 第67巻 ページ: 1341-1345

    • URL

      https://www.jstage.jst.go.jp/article/kaigan/67/2/67_2_I_1341/_article

    • 査読あり
  • [雑誌論文] WorldView-2衛星画像を用いたサンゴ礁汎用水深推定式構築の試み2011

    • 著者名/発表者名
      神野有生, 鯉渕幸生, 磯部雅彦, 寺田一美, 関根雅彦, 胡忠
    • 雑誌名

      「土木学会論文集B3(海洋開発)」特集号

      巻: 67 ページ: 744-749

    • 査読あり
  • [学会発表] Which Bands of Multispectral Satellite Imagery Are Useful in Remote Sensing of Water Depth?2011

    • 著者名/発表者名
      Ariyo Kanno
    • 学会等名
      International Symposium on Remote Sensing 2011
    • 発表場所
      麗水(韓国)
    • 年月日
      2011-11-04

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi