1)天空放射輝度分布を考慮した壁面日射計算法 天空放射輝度分布を考慮した壁面日射計算法について、計算精度、計算時間の再検証を行い、精度、計算時間ともに充分なものであることを確認した。 2)EnergyPlusへの天空放射輝度分布・輝度分布モデルの組み込み 通常の建築熱環境シミュレーションでは一様と仮定されている天空放射輝度分布を、建築エネルギーシミュレーションソフトウェアEnergyPlusに組み込む手法を検討した。併せて、現状のEnergyPlusにおける、照明計算時の天空輝度分布の考慮手法(Clear Sky、Clear Turbid Sky、Intermediate Sky、Overcast Skyの4つの天空状態の組み合わせから、天空の輝度分布を求めるPerezの手法)を拡張するために、晴天空から曇天空までを15の天空状態(天空タイプ)で表すCIE標準一般天空モデルのEnergyPlusへの組み込みを検討した。 組み込みを行うために、EnergyPlusソースコードより、照明計算・壁面日射量計算に関するファンクションの洗い出しを行い、コードの変更の方針を検討した。 3)波長別日射量測定データの整理と既往の日射の波長別日射モデルの分析 所属機関で測定した波長別日射量データの品質チェック・欠測処理を行い、モデル化に先立つ、データ整備を行った。整備した測定データを季節・天候、晴天指標、可降水量といった気象指標で分類したうえで、その傾向把握を行った。さらに、晴天時を想定した波長別日射モデルであるBirdモデルを用い、混濁因子の最適値を同定し、その際のモデルの適応性を検討したn晴天時については、混濁因子の最適値を用いることで、Birdモデルにより波長別日射量を精度よく推定できることを明らかにした。
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