• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

個人情報保護のための匿名性を有するシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22860070
研究機関関西大学

研究代表者

河野 和宏  関西大学, 社会安全学部, 助教 (60581238)

キーワードネットワーク / セキュア・ネットワーク / 暗号・認証等
研究概要

本研究の目的は,インターネット上で匿名性を有するサービスを実現するために,3つの匿名性に関する方式(匿名通信方式・匿名認証方式・匿名署名方式)を開発することである.平成22年度は,3つの中で最も重要な技術である匿名通信方式の1つである3-Mode Net(以下3MN)の開発・改良を念頭に置いて研究を進めた.具体的には,3MNにはこれまでいくつかの問題点が指摘されており,平成22年度においては,指摘されていた問題点のうち,(1)受信者の匿名性が評価されていない点,(2)多重暗号化による中継ノードの負荷が大きい点,(3)通信に要する中継ノード数が極端に大きくなる点を解決した.
まず(1)に関しては,3MNでは送信者の匿名性は定量的に評価されているが,受信者の匿名性は評価されていなかった.そこで,送信者の匿名性の評価手法と同様,ランダムウォーク理論および確率母関数の性質を応用して,受信者の匿名性を定量的に評価することに成功した.これにより,送信者の匿名性だけでなく,受信者の匿名性も考慮することが可能となり,送受信者双方の観点から評価可能となった.
次に(2)に関しては,多重暗号化を使わない方式である,ループバックを用いた匿名通信方式の開発を進め,本年度においては,数値シミュレーションを通して3MNと比較し,その実用性を評価した.
最後に(3)については,3MNでは,いつメッセージが届くかという保証がされておらず,場合によっては極端に通信時間がかかることがあった.そこで,非復元抽出を応用した3MN方式,オニオンルーティングと3MNを併用する方式の2つの方式を提案し,通信にかかる中継ノード数の上限を設定可能とした.
以上が平成22年度の研究成果であり,どれも3MNの問題点を解決するための重要な研究である.また,これらの研究成果については,全て論文誌・国際会議・研究会等で発表済みである.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Anonymous Communication System Based on Multiple Loopbacks2011

    • 著者名/発表者名
      K. Kono, S. Nakano, Y. Ito, and N. Babaguchi
    • 雑誌名

      Journal of Information Assurance and Security

      巻: Vol.6, No.2 ページ: 124-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Theoretical Analysis of the Performance of Anonymous Communication System 3-Mode Net2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kono
    • 雑誌名

      IEICE Trans.on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: Vol.E93-A, No.7 ページ: 1338-1345

    • 査読あり
  • [学会発表] 匿名通信方式3-Mode Netにおけるノードの結託に対する送受信者の匿名性の解析2011

    • 著者名/発表者名
      河野和宏
    • 学会等名
      2011年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2011)
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉福岡県
    • 年月日
      2011-01-26
  • [学会発表] 匿樋信方式3-Mode Netにおける中継ノード数の低減手法2011

    • 著者名/発表者名
      中埜伸乃佑
    • 学会等名
      2011年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2011)
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉幅岡県
    • 年月日
      2011-01-26
  • [学会発表] Anonymous Communication System Using Probabilistic Choice of Actions and Multiple Loopbacks2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kono
    • 学会等名
      Proc. 6th International Conference on Information Assurance and Security
    • 発表場所
      Atlanta, USA
    • 年月日
      2010-08-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi