研究概要 |
本研究の目的は,インターネット上で匿名性を有するサービスを実現するために,3つの匿名性に関する方式(匿名通信方式・匿名認証方式・匿名署名方式)を開発することである.平成23年度は,主に匿名通信方式3-Mode Netの実証実験を行った. 3-Mode Netの実証実験については,平成22年度から進められており,通常の3-Mode Netだけではなく,これまでに提案した様々な3-Mode Netにおける中継ノード数の提案手法についても実装し,比較検証を行った.その結果,理論的に導出した中継ノード数の平均値からだけではなく,実際の通信時間も視野に入れて検討することが可能となった.その結果,3-Mode Netから途中でOnion Routingに切り替える併用型が最も良いという結論が得られた.この研究成果については,現在論文を投稿中である. 更に,東日本大震災において問題となったスパムメールから,インターネット上における匿名性の問題へと議論を広げ,匿名性を有する方式の実現に向けて必要となる機能を考察した. 以上が平成23年度の匿名性に関する研究成果である.その他には,匿名性については3-Mode Netと親和性の高い匿名認証方式・匿名署名方式の検討,認証方式については考え方の枠を広げ,モバイル端末におけるユーザビリティを考慮した,複数の指を用いたマルチタッチアクションに基づく認証方式の提案などを行い,多方面から調査・検討や手法の提案を行った.
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