多種多様なヒストン化学修飾の相互制御が、複雑なヒストン化学修飾ネットワークを形成するという我々の理論に基づき、このネットワークが生体内でどのように構築され、作動しているのかを解明することを目的とした。全439種から成る出芽酵母ヒストン点変異株ライブラリーを用いて、化学修飾残基の変異により生じるヒストン化学修飾ネットワークの異常を、表現型の変化として観察した。その結果、ヒストンH3のLys4、Lys36やヒストンH4のLys12,Lys16といった化学修飾残基が、生体機能の維持に重要な役割を果たす「機能的ハブ化学修飾」であることを明らかにした。
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