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2011 年度 実績報告書

細胞質分裂期の中央紡錘体形成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22870013
研究機関名古屋大学

研究代表者

上原 亮太  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20580020)

キーワード細胞分裂 / 細胞質分裂 / 紡錘体 / 微小管
研究概要

正確な細胞分裂の制御は生命の維持および継承に必須であり、その異常は癌をはじめとする種々の疾病の原因となる。染色体分配と細胞質分裂との正確な時空間的連携は細胞分裂期において最も重要な調節段階であり、分裂期に生み出されるダイナミックなスピンドル微小管により制御される。分裂後期における中央紡錘体形成は細胞質分裂制御に必須であるが、その形成、機能メカニズムは未解明である。23年度は22年度に本研究で発見した微小管形成因子「オーグミン」を介して制御される新規の微小管重合系に依存した中央紡錘体形成経路が、どのように細胞質分裂の制御に関わるかを明らかにする事を目指した。生細胞の長時間高解像度イメージングとRNAiによる遺伝子特異的機能阻害実験を組み合わせ、新規の微小管重合系によって分裂細胞中央に形成される機能的な微小管構造が、収縮運動後の細胞架橋の切断反応に必要であることを見出した。新規の微小管重合系の機能を阻害した場合、細胞架橋切断反応の足場を提供する微小管結合タンパク質の分裂期キネシンの集積に顕著な異常が生じ、細胞は架橋構造の維持に失敗することから、細胞質分裂の終了の制御に特化した微小管構造による足場因子の局在制御が細胞質分裂の完了に必須の役割を果たすことが明らかになった。近年オーグミンは乳がん患者のゲノムにおいて特異的な変異の蓄積が報告され、その細胞内作用機作の解明が重要な課題となっている。23年度の本研究による発見は、オーグミン機能異常が細胞の健全性を失わせる分子メカニズムの重要な側面を明らかにした点で、生物学、医学的に重要であると考えられる。

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公開日: 2013-06-26  

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