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2011 年度 実績報告書

分化細胞から全能性幹細胞へのリプログラミング過程における低分子RNAの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22870036
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

玉田 洋介  基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (50579290)

キーワードリプログラミング / 幹細胞 / ヒメツリガネゴケ / 低分子RNA
研究概要

これまでの研究で、ヒメツリガネゴケのリプログラミング過程において低分子RNAの発現がグローバルに減少すること、またRNA結合ドメインを有するPpCSPがリプログラミングの促進に機能することを明らかにした。動物におけるPpCSPホモログは低分子RNAの生合成の抑制に機能することから、PpCSPが低分子RNAの発現をグローバルに抑制することでリプログラミングを促進しているのではないかと考え、PpCSPの機能解析を行った。まず、リプログラミング過程において野生型と、PpCSP過剰発現株の発現プロファイルを比較したところ、MscS遺伝子、WRKY遺伝子の一つがPpCSP過剰発現株で高く発現していることを見いだした。これらの遺伝子は他の生物において傷害応管を含むストレス応答に機能し、さらにその遺伝子ファミリーの一部は低分子RNAの標的であることが知られている。これらの遺伝子がヒメツリガネゴケのリプログラミングに機能しないか、またこれらの遺伝子を標的とする低分子RNAがヒメツリガネゴケに存在しないか解析中である。また、PpCSPは通常細胞質に局在しているが、微小管重合阻害剤を処理すると濃度依存的に核にも局在することを明らかにした。このことは、PpCSPがRNA分子と結合して核と細胞質をシャトリングしていること、それには微小管が関与していることを示唆している。PpCSPと微小管の細胞内共局在はそれほど明瞭でないものの、免疫沈降法ではPpCSPと微小管を構成するチューブリンタンパク質との相互作用が観察された。現在、PpCSPと相互作用するタンパク質を質量分析法で網羅的に解析中である。さらに、RNA免疫沈降法によりPpCSPと結合するRNA分子の単離を試みている。
上記に加えて、低分子RNAの分解酵素遺伝子の四重変異体を作成中であり、作成でき次第リプログラミングにおける表現型を解析する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ARABIDOPSIS TRITHORAX-RELATED3/SET DOMAIN GROUP2 is required for the winter-annual habit of Arabidopsis thaliana2012

    • 著者名/発表者名
      Jae-Young Yun, Yosuke Tamada, et al
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 53(In press)

    • DOI

      10.1093/pcp/pcs021

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FLC : A hidden Polycomb response element shows up in silence2012

    • 著者名/発表者名
      Diana M.Buzas, Yosuke Tamada, et al
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 53(In press)

    • DOI

      10.1093/pcp/pcs021

    • 査読あり
  • [学会発表] Evolution of the Developmental Functions of Histone Methylations in Land Plants2012

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Tamada
    • 学会等名
      The 8th Okazaki Biology Conference
    • 発表場所
      基礎生物学研究所(愛知県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-22
  • [学会発表] ATXR3, a novel histone methyltransferase, is required for the epigenetic activation of FLC and the flowering repression2012

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Tamada
    • 学会等名
      The 53rd annual meeting of the Japanese society of plant physiologists
    • 発表場所
      京都産業大学(京都府)
    • 年月日
      2012-03-17
  • [学会発表] Epigenome and transcriptome analyses using the histone methyltransferase mutant of Physcomitrella patens2012

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Tamada
    • 学会等名
      The 53rd annual meeting of the Japanese society of plant physiologists
    • 発表場所
      京都産業大学(京都府)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケ野生型およびH3K27メチル化酵素欠失株を用いたトランスクリプトーム・エピゲノム解析2011

    • 著者名/発表者名
      玉田洋介
    • 学会等名
      生命情報科学若手の会第3回研究会
    • 発表場所
      基礎生物学研究所(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-16
  • [学会発表] ヒストン修飾とnon-coding RNA:花成を制御する協調関係2011

    • 著者名/発表者名
      玉田洋介
    • 学会等名
      日本遺伝学会第83回大会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [図書] 植物の分子育種学2011

    • 著者名/発表者名
      星野敦、玉田洋介
    • 総ページ数
      191-201
    • 出版者
      講談社
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/evodevo/

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公開日: 2013-06-26  

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